小学生の先取り学習というと、心配なのが弊害。
正直、弊害はあります。
でも中学受験では先取り学習が当たり前。
「先取り学習は絶対ダメ!」ということはないんです。
先取り学習の弊害の正体と対策を知っていれば、できるだけ影響を小さくすることができますよ。
先取り学習の弊害と、影響をできるだけ避ける先取り学習の方法をまとめました。
小学生の先取り学習の弊害(デメリット)
授業を聞かなくなる
先取り学習でのデメリットで1番代表的なもの。
一度やっていることだから、新しいことを学ぶときのワクワクした気持ちが薄れるのは仕方がないですよね。
だからといって学校の授業をおろそかにしたり、時間を無駄にはできません。
我が家でも高学年になってから先取り学習していて、学校の授業でしっかり復習するように言っています。
先取り学習をして、学校の授業でもう一度基礎を学習をすることで、理解を深め応用問題にもつなげることができます。
自分での学習と、先生が教えてくれる学習とでは切り口が違うこともあるんですよね。
先取り学習をしていることを理解してくれる先生もいますが、正直嫌だなと思われる先生も。
我が家では上のようなことは避けるように言っています。
「あっそれ知ってるよー!」と言いたくなってしまうのはわかるんですけどね。
みんなが気持ちよく授業が受けられるように必要なことだと思っています。
勉強ができると勘違い
これも先取り学習のデメリットとして有名なものではありますが、「勉強ができると勘違い」は自信にもつながるので一概にデメリットとは言えないかなと思います。
この勘違いのだめなところは、
勉強ができると勘違い→ちょっとくらい勉強しなくていいか→ずるずる勉強しなくなる
勉強しなくなることにつながるのが1番の問題。
学校での「わかる!!」は、先取り学習しているからできただけなんです。
自信がついて、勉強へのモチベーションが上がる子であればデメリットではありませんよね。
「わかるから大丈夫ー!」と勉強をおろそかにしていく子は問題。
学校の授業が追いつけば……どんどん抜かされます。
高学年であれば、「先取り学習をしているから解ける」ことを理解して勉強を続けるようにしてもらいたいですね。
公式算数を先取ると考える力に影響
算数を先取り学習する上で、一番大きい問題。
計算方法さえ覚えてしまえば、どんどん計算できるのは事実です。
でも公式に当てはめることばかりしていると、応用力が必要な時に考えることができなくなる恐れもあるんですよね。
「どうしてこうやって考えるんだろう?計算するんだろう?」
ここを理解してもらいたい。
しっかり理解していれば、「ということはこうしてみたらいいんじゃない!」と応用もできるようになってきます。
先取り学習を進めるための公式算数は避けていますよ。
親の負担・子の負担
先取り学習は、学校での学習ではないので親にも子にも負担があります。
親の負担
先取り学習の教材選びは、本当に大変です。
条件に合うものをたくさんの教材の中から探すことになります。
我が家もいくつも試して、本当に大変でした。
ようやくこれだ!というものを決めたので、またまとめます。
先取り学習を日々の学習に組み込むために、スケジュール管理をする必要もあります。
私も適切な量を見極めて、スケジュール管理するのは結構難しいと感じています。
親が先取り学習に付き合ってあげる時間も必要な上、「数学を学習した親」が「算数を教える」ことはなかなか難しいんですよね。
この辺のことを考えながら先取り学習をするかどうか、教材や方法をどうするかを考えていく必要があります。
子の負担
まずは、勉強時間の確保。
先取り学習をするために、何かの時間を削る必要が出てきてしまいます。
自宅で先取り学習する場合は、無理のないスケジュールを親が管理する必要がありますね。
習っていないことを学習するには、しっかり自分で考える必要があります。
頭を使うので、それだけで疲れてしまう子も……。
教材の選び方次第で、負担の度合いも変えられるので合った方法を見つける必要がありますね。
我が家でも、最初に選んだ方法が合わず、「もうやりたくない!」と言われてしまいました。
教材を変更したところ順調に進んでいますので、子どもに合う・合わないは大事なポイントですね。
それでも先取り学習したい(メリット)
- 効率のいい学習ができる
- 理解が早い
- 自信がつく
- 復習もセットになる
弊害やデメリット多めの先取り学習ですが、しっかりメリットもありますよ。
先取り学習の一番のメリットは、効率のいい学習をすることができることです。
例えば、図形の問題。
三角形や四角形を習う→面積を習う→体積を習う
この学習は、学年をまたぎます。
かけ算や割り算は小学3年生で習うので、ほとんどの計算ができるようになりますよね。
学校では、面積を習って、別の単元をやって、学年が変わってから体積が出てきます。
でも、
面積を習った→じゃあ体積は?
と続けて学習したら、なるほど!となりますよね。
先取り学習ならではの学習方法です。
通常の先取り学習は、教科書をどんどん進めていく方法なので、効率のいい進め方は教材選びにかかってきます。
また時間がたっていたとしても、一度学習したことのある単元をもう一度学習するときは理解が早いです。
もう一度しっかり理解できることで、深い理解につなげることができますね。
学校の授業で「わかる!」という体験は、自信にもつながります。
「勘違い」になるとは言われていますが、自信がつくことでさらにモチベーションが向上する方にもつながると思っていますよ。
我が家で先取り学習をする理由
先取り学習は弊害があるとわかっているのに、なぜ我が家では先取り学習をすることに決めたのか。
- 大学受験のため
- 自信をつけるため
一番大きな理由は大学受験があるからですね。
大学受験までには時間があるのに、なんで今からの先取り学習が大学受験につながるのか。
大学受験では、中学受験をしてきた子たちもライバルになるからです。
中高一貫校の子たちは高校2年までで高校で習う内容を終わらせ、大学入試に向けて演習をしていきます。
でも高校受験をする子たちは、高校3年まで授業を受けてから演習開始。
最終的に同じ舞台(大学受験)で戦うので、早めから取り組む必要があり、演習の時間を増やせるように先取り学習は必要だと思っています。
影響を避ける先取り学習の方法
- 低学年は「学習習慣の獲得」と「思考力を鍛える」
- 高学年から先取りスタート、基礎から始めて負担軽減
低学年は「学習習慣の獲得」と「思考力を鍛える」
低学年の間に重視するのは、
- 学習習慣の獲得
- 思考力を鍛える
低学年のうちは最重要課題が「学習習慣」を獲得すること。
学習習慣を獲得しなければ、当然先取り学習も進められません。
学校から疲れて帰ってきて、宿題をやるのも大変ですよね。
少ない時間から毎日の学習習慣ができるようにします。
学習習慣がついたら「思考力を鍛える」ことに注力。
小学4年生ごろから難易度が上がってきます。
それまでに考える力をつけておくことで、難しい問題、応用力が必要な問題に対応できる土台になります。
低学年のうちは積極的な先取り学習より思考力。
でも、予習程度のちょっと先取り学習は学校での自信につながるのでおすすめですよ。
高学年から先取りスタート、基礎から始めて負担軽減
先取り学習は高学年からスタート。
まずは基礎をサラッと学習して進めていきます。
ひとつひとつの単元を基礎から深く理解し、応用まで取り組むとかなりの負担になります。
なかなか進まずモチベーションが下がることも。
サラッと進めて、戻った時に深く理解できるように復習することで負担軽減になりますね
我が家でも普段は基礎だけできるようにして、次に進むようにしています。
学校で追いついたときや、長期休みを利用して、復習や応用問題に取り組んでいますよ。
まとめ
先取り学習による弊害は
- 授業を聞かなくなる
- 勉強ができると勘違い
- 公式算数を先取ると考える力に影響
- 親の負担・子の負担
弊害があるとはいえメリットがある先取り学習。
不安はあるけれど、本当はやらせたいという方もいらっしゃいますよね。
弊害をなるべく少なくする先取り学習の方法は、
- 低学年は「学習習慣の獲得」と「思考力を鍛える」
- 高学年から先取りスタート、基礎から始めて負担軽減
先取り学習の弊害についても理解しながら、気を付けて進めていく必要がありそうですね。