「早生まれの子は非認知能力が低い傾向にある」
このページに来られた方は、どこかで目にしたことがあるのではないかと思います。
いろんな疑問がありますよね。
簡単に言ったら、子どもが将来社会に出てから、成功するために必要な力と言われているのが非認知能力。
非認知能力が低いと?成功する確率が下がるということにつながりますよね。
早生まれの子は、早生まれの不利を心配するからこそ低くなってしまう理由があります。
わが家にも3月生まれの子がいるので、早生まれということで心配していろいろ悩みました。
非認知能力のことも調べたので、遊びと勉強のバランスも考えましたよ。
早生まれの非認知能力が育ちにくいことに対処する方法、非認知能力を高める方法もいっしょにまとめました。
早生まれの子は非認知能力が低くなりがち
このパートでは、
についてお伝えします。
非認知能力とは生きる力
非認知能力とは学力テストやIQ(認知能力)テストなどで測ることができない「生きる力」「生きていくために必要な能力」のことです。
具体的には、自己認識(やり抜く力)、意欲、協調性、粘り強さ、忍耐力、計画性、自制心、創造性、コミュニケーション能力など。
2000年にノーベル経済学賞を受賞したアメリカの経済学者、ジェームズ・ヘックマンが提唱しました。
OECD(経済協力開発機構)では、社会情動的スキルと呼び、「目的の達成(忍耐力・自己抑制・目標への情熱)」「他社との協働(社交性・敬意・思いやり)」「情動の抑制(自尊心・楽観性・自信)」が関わっています。
文部科学省の新学習指導要領では子どもたちに必要な力を、「学びに向かう力、人間性など」「知識及び技能」「思考力、判断力、表現力など」の三つの柱に整理。
非認知能力は、この中の「学びに向かう力、人間性など」にあたり、現在注目されている能力になります。
早生まれの子は非認知能力が低い
東京大学の山口慎太郎教授による研究、「生まれ月がスキルやスキル形成に及ぼす影響(Month-of-Birth Effects on Skills and Skill Formation)」で生まれ月によって非認知能力に差が出ることが明らかになっています。
早生まれの子の非認知能力は、遅生まれの子に比べたら低い傾向にある。
そして差が出るだけではなく、学年が上がっても非認知能力の差は縮まらないということも重要なポイントです。
早生まれの子を持つ親としては、これ本当にショックですよね。
非認知能力は幼少期に育つといわれています。
なぜ早生まれの子の方が非認知能力が低い傾向にあるのか、原因は幼少期の過ごし方にありました。
早生まれの子は、損だとか不利だとか言われます。
親としては心配して当然。
そこで、困らないように勉強をさせて、学力を向上させようとします。
山口教授の研究によると、
早生まれの子は勉強するのに忙しく、遊びやスポーツ、芸術に使うような時間が減ってしまっているということが、早生まれの子の非認知能力が低い原因と考えられます。
早生まれの子を心配する気持ち、本当にわかります。
この結果は、たしかに!と思うところでした。
非認知能力が低いとどうなるのか気になりますよね。
非認知能力が低いと社会に出たときに影響する
非認知能力が低いと、学力、学歴、生涯賃金に影響が出る可能性があるんです。
ヘックマン教授は、「社会的成功には学力やIQのような認知能力だけではなく、非認知能力も不可欠である」と主張しています。
非認知能力の一つである、自制心が高い子は将来的に成功する確率が高いとも言われています。
やり抜く力や粘り強さといった非認知能力が高いと、難しい課題、目的を達成するための努力ができる。
そういったこともあり、非認知能力が高い人は、認知能力(学力、IQ)も高い傾向にもあるんです。
そんな、子どもが社会に出たときにまで影響する非認知能力が、早生まれの子は低い傾向にある。
早生まれの子を持つ親としては、不安しか感じないですよね。
早生まれの子が非認知能力を高める方法も調べてみました。
早生まれの子の非認知能力を高める方法
子どもが社会に出て成功するために必要な非認知能力。
ぜひ育てていきたいですよね。
ここでのポイント
幼児期から小学校低学年のうちに遊びで高める
非認知能力は、遊びの中で育っていくものです。
特に、
のような遊びは、非認知能力が高まる要素がいっぱい。
お友達と遊ぶ中で、ルールを守ったり、我慢を覚えたりしてコミュニケーション力アップしたり。
工作で創造性を高めたり、外遊びでルールを守ることやできるまで頑張る力を鍛えたりすることもできます。
幼少期にしっかり遊ぶ機会、遊ぶ時間が確保できて入れば、自然と育っていく力なんですよ。
非認知能力を高めることが認知能力を高めることに繋がるということは学力の向上にもつながるということ。
早生まれだとどうしても学力を心配して勉強させがちですが、非認知能力を高めるためにもたっぷり遊ぶ時間が必要ですね!
早生まれの子は異年齢交流がおすすめ
早生まれの子も遊ぶことで非認知能力は育ちますが、いろんな年齢の子と遊ぶ異年齢交流ができるとさらによさそうです。
例えば、鬼ごっこで同じ学年の子とだけ遊んでいると、体が小さい分不利。
なにくそ!と思って頑張れる子だと良いのですが、どうせ負けるし…となってしまうと、せっかくたくさん遊んでいても非認知能力は育ちにくくなってしまいますよね。
異年齢交流だったら、自分より小さい子、すごく大きい子もいるので自分ばっかり負けるみたいなことが減ったり、小さい子に教えてあげたりして非認知能力は育ちやすくなります。
いろんな年齢の子と、たっぷり遊ぶ機会を与えてあげられると良いですね。
わが家の早生まれの子も、小さいときは「どうせ勝てない」ってよく言っていました。
でも、近所の自分より小さい子と遊んだり、大きい子と遊ぶことで、小さい子には自信をもって教えてあげる。
大きい子には憧れて、できるようになるまで努力するようになりました。
早生まれの子の非認知能力は、いろんな年齢の子と遊ぶと育ちやすい能力なのかなと感じましたよ。
まとめ:早生まれの子は非認知能力を積極的に向上させるべき
早生まれの子は不利という不安から、勉強をさせたくなります。
たくさん勉強させた結果、遊ぶ時間が短くなり非認知能力が低くなりがち。
その結果、早生まれの子の不利は体の成長や脳の発達が追いつくまでではなく、生涯にわたって影響が出るといわれてしまっているんです。
非認知能力を育てることで、認知能力(学力やIQ)も上がり、将来社会に出てから成功する確率が上がるので、早生まれの子こそ遊ぶ時間をたくさん確保するべきなんですよね。
と言ってもやっぱり早生まれの子を持つ親としては、目の前の勉強ができないとなると不安ですよね。
子どもにとっても、いつも「わからない」があると自己肯定感は下がっていきます。
自己肯定感が下がってしまうと、非認知能力も伸ばせません。
わが家でも、勉強も心配だけど遊ばせたい。
子ども自身が自信をつけるためにはどうしたらいいか、いろいろ考えました。
自信をつけるための勉強は、通信教材でサッと終わらせ、遊びの時間を確保しています。
幼児期から小学校低学年くらいまでの間は、たっぷりと遊ぶことで非認知能力を育てたいですね。